“新・ビーチの妖精”に見え始めた光明 新コンビで東京五輪へ結果残す
一昨年、彗星のように現れ、その美貌と明るいキャラクターから「新・ビーチの妖精」と称されたビーチバレー・坂口佳穗(21=マイナビ)。今月1、2日に兵庫県淡路島で行われたジャパンビーチバレーボールツアー2017 第3戦・南あわじ大会に、藤井桜子(26=市進ホールディングス)とのペアで出場。目標の準決勝進出を果たすことはできなかったが、予選を含めて自身初の1大会2勝を挙げた。
飛躍が期待された昨年は、ツアー第1戦での5位入賞が最高で、その後は苦戦が続いた。その原因の1つとして挙げられたのが、ペア同士の連携不足。シーズン中からすでにペア解消が視野に入っている状態だっただけに、勝負以前にハンディを背負っていたとも言える。
そんな中、今年3月に、2014年のアジア大会に日本代表として出場した藤井との新コンビが決定。当初は昨年中にも新たな相棒を決めたいとしていただけに、若干、時間を要した部分があったのかもしれない。それだけに、注目された今季の第1戦は1勝2敗、第2戦は0勝2敗と、結果を出せなかった。
だが、迎えた第3戦で、光明がはっきりと見えた。予選ラウンドを2-0とストレート勝利で突破すると、、決勝ラウンドのプール戦でも1試合目を2-0で勝利。2試合目は、世界ランキング国内最上位の石井美樹・村上めぐみペアに屈したが、国内トップとの対戦までたどり着いた。
サーブレシーブで狙われ、崩された坂口は「サイドアウトが切れなかった。これでは第1シード相手には戦えない」と厳しい表情。「サーブキャッチなど、もう一度基本に戻って形を作りたい」と、次戦に向けた課題を口にした。一方の藤井は「実力の差を感じた」としつつも、「焦らずにやっていきたい。坂口の攻撃力をもっと生かすようにできたら、トップレベル相手にも十分に戦える」と、坂口の成長を実感した上での手応えを語った。
2020年の東京五輪という、明確な目標を掲げている坂口。昨年末には「『あと3年ある』じゃなくて、『もう3年しかない』んです」と、危機感も募らせていた。まずは五輪代表権争いの土俵に上がるためにも、今季はまず準決勝進出を果たしたいところ。これから迎えるツアー中盤戦で、その真価が問われる。
また、ビーチバレーの普及にも心を砕く坂口だけに、タレントとしての活動も期待されている。8月3日には、神戸・生田神社の「大海夏祭」で、ボクシング・WBA世界スーパーバンタム級王者の久保隼(27)とトークショーを実施。かねて坂口は、他種目のプロフェッショナルから「戦う姿勢」を吸収することは有意義だと話していた。世界王者から得る闘志が、今季の躍進につながるのかにも、注目したい。