宇良潜れず…粘るも鼻血完敗 初横綱戦「すごく緊張した」
「大相撲名古屋場所・8日目」(16日、愛知県体育館)
横綱白鵬(32)=宮城野=が初顔合わせの平幕宇良(25)=木瀬=をすくい投げで下しただ1人、初日から8連勝を決めた。突いていなして人気業師を完ぺき封じ。最後は豪快に“ウラ返し”、鼻血を出させた。
宇良は倒れたまま愛知県体育館の天井を眺めた。頭の後ろから背中には砂がべっとりと張り付いた。横綱初挑戦は最強王者・白鵬に完敗。「すごく緊張しました。バシッと受け止められて、気がついたら宙を舞って頭から落ちていた。横綱はとても強かったです」と悔しさを胸に押し込んだ。
大歓声の中で迎えた立ち合い。いつものように低く立って相手の下に潜り込むはずが、思うようにいかない。終始不利な体勢の中、足取りを試み、右下手を引いたが、最後は万歳をするような体勢にされて、土俵にあお向けにたたきつけられた。
初の横綱戦という相撲人生の記念すべき1ページは白星で飾れなかったが、この黒星で得たものも大きい。「昨日からいつも通りに準備して、思い切って自分の相撲を取れた。(負けて)もっと強くなりたいなと思った」。9日目の相手も横綱日馬富士。期待の小兵が今度こそ館内を万雷の拍手で埋め尽くす。