元大関魁皇「横綱で達成したことがすごい」 勝負審判として白鵬の勝利見届けた
「大相撲名古屋場所・12日目」(20日、愛知県体育館)
横綱白鵬が関脇玉鷲を寄り切って11勝目を挙げ、元大関魁皇(現浅香山親方)に並んで史上1位となる通算1047勝に到達した。序ノ口デビューからの所要は、魁皇より42場所も少ない97場所。13日目の大関高安戦に新記録樹立を懸ける。土俵下で白星を見届けた浅香山親方は横綱にエールを送り、師匠の宮城野親方(元幕内竹葉山)は感慨に浸った。
浅香山親方は勝負審判として、目の前で白鵬が自身の記録に並んだ一番を見守った。「自分は大関だったからこの数字にいけたけど、白鵬は横綱で達成したことがすごい。横綱(という地位)は違うからね。比べるものではない」と感想を口にした。
現役時代、白鵬との対戦成績は6勝27敗。その強さは身にしみて知っている。「白鵬は体が柔らかいし、下半身、体の芯がしっかりしている。稽古も他の力士は基本運動を適当にやっていても、白鵬はしっかりやっていた。プラス何か新しいことを取り入れてきた。それが他の力士との違い、長持ちする秘けつでしょう」と記録達成の要因を挙げた。
白鵬はまだ32歳と若く、13日目にも記録を更新されることになるが「寂しさはまったくない。逆に忘れられたころに、こうして名前を出してもらってありがたいくらい」。今後、白鵬が記録をどこまで伸ばすかについては「まだまだこんなものじゃないでしょう。今日も強さ、気迫が十分に伝わってきた。1100とか1200はいくんじゃないか。まだ一番強いのは白鵬というイメージがある。お客さんにどこまで伸ばせるのかを楽しみにしてもらえばいい」と期待した。