世界陸上 川内優輝主将 熱き決意表明「日本国民全員の期待を背負って」
陸上の世界選手権(8月、英・ロンドン)に出場する日本代表の壮行会が21日、都内にある英国大使館で行われた。この日、選手団主将に任命された男子マラソンの公務員ランナー、川内優輝(30)=埼玉県庁=は、4分20秒に及ぶ熱の込もった決意表明で、選手団の士気を高めた。
これが日本代表として臨む最後の世界大会と表明している川内の口から、熱き思いが速射砲のように吐き出されていった。「東京五輪に向けた通過点と考えている選手もいると思いますが、ただ日本代表として戦う以上はロンドン世界選手権、この大会で結果を残す。これが選手一人一人に課せられた役目」、「日本代表として臨む以上は、日本国民の全員の期待を背負って、結果を残さないといけない」、「すべての選手が日本のために何ができるか。一人一人が自覚して、しっかり頑張ってきます」。最強市民ランナーとして、期待を背負い、他人に人生を乗っけられてきた男の言葉が、選手一人一人の心に突き刺さった。
男子100メートル代表で初出場の多田修平(21)=関学大=は「覚悟を持って挑んではるんやなと思った。熱い気持ちになった」と、目を輝かせた。
この日、伊東浩司強化委員長らから主将の打診を受けたという川内は「日頃思っていることを言っただけ。まとまりがなかったかな」と笑ったが、思いはしっかりと他の選手たちに届いた。
8月6日のレース本番に向けて、調整は順調そのもの。「タイムは関係ない。メダルを狙っていきたい。全部やりきったと思える走りを、日本代表として胸を張れる走りができたら」。魂を込めた日の丸ラストランから目が離せない。