伊予銀行女子ソフトボール部 地元で決める悲願日本一
ソフトボールの成年女子に愛媛県代表として出場する伊予銀行女子ソフトボール部。日本リーグ1部で戦う強豪チームで、22人の選手が日本一を目指して日々厳しい練習に取り組んでいる。国体は一昨年の和歌山大会、昨年の岩手大会と2年連続で3位だった。地元開催だけに「今年こそ」の思いは強い。
松山市郊外にある伊予銀行女子ソフトボール部のグラウンド。張り詰めた緊張感の中、22人の選手たちが「日本一」を目指して練習に励んでいる。
4月に開幕した今季日本リーグは前半11試合を終え、4勝7敗で12チーム中8位。チームは9月に始まる後半戦に向けて準備を進める一方、10月に開催される愛媛国体にも視線を据えている。
主将の對馬弥子内野手(24)は「今年は地元開催。期待されているので優勝を目指したい」と目標を口にした。国体は一昨年の和歌山大会、昨年の岩手大会と2年連続で3位だった。今年こそ、の思いは強い。
投手陣はリーグ防御率3位(0・80)につける左腕・内海花菜投手(26)が安定。U23日本代表に選ばれ6月の東アジアカップに出場した山口清楓投手(23)も頼もしい。地元・松山市出身で済美高卒の庄司菜々投手(22)は多彩な変化球を駆使する技巧派で、「小さいころから愛媛国体に出たいと思っていた。粘り強く0に抑えて優勝したい」と話す。
打線は3番・對馬主将、4番・樋口菜美外野手(23)、5番・加藤文恵内野手(27)のクリーンアップが中心。7番打者で二塁を守る新居浜市出身の正木朝貴内野手(23)も「地元開催で注目されているので、絶対に結果を残したい」と意気込みは熱い。
選手たちは毎日、午前中は銀行員として仕事に従事し、午後から練習に取り組む。シーズン中は長期遠征も多い。今年も5月上旬から1カ月間は松山を離れ、岐阜、群馬、岩手などを転戦。体調管理にも余念がない。
国体には全国から13チームが参加。愛媛県代表には伊予銀行のメンバーのほか、トヨタ自動車でプレーする愛媛県出身の長崎望未外野手(25)、山下りら内野手(23)の2人が「ふるさと選手」として加わる。
そのトヨタ自動車など強豪チームがそろう愛知や、日本代表のエース・上野由岐子(ビックカメラ高崎)がいる群馬などがライバルとなるだろう。国体で指揮を執る酒井秀和総監督(56)は「つないでつないで1点を取るのが持ち味。全員が一つにまとまり、チーム力で勝っていきたい」と話した。地元の熱い声援を背に、一丸プレーで国体制覇に挑む。