鈴木大地長官が金メダルなし競泳陣にゲキ 「世界の選手は狙った大会は命がけ」
ソウル五輪100メートル背泳ぎ金メダリストの鈴木大地スポーツ庁長官(50)が3日、世界水泳で金メダルなしに終わった競泳陣にゲキを飛ばした。この日、都内で行われたスポーツイベントで「世界の選手は狙った大会は命がけで来ます」と指摘し、今後の世界大会への準備を求めると同時に、スポーツ庁も他の競技に対するのと同様にバックアップをすると誓った。
東京・丸ビル前で行われた「MARUNOUCHI SPORTS FES2017」のオープニングセレモニーにレーシングドライバーの佐藤琢磨、陸上の福島千里と出席した。金メダルなしに終わった世界水泳についての話題に「昨年、オリンピックがあったんですが、翌年、世界はすでに動いていると瀬戸選手も話していた。4年にいっぺんオリンピックは来ますが、毎年毎年、世界はダイナミックに動いています。日本も後れをとっちゃいけないな」とあらためて感じたと明かした。
今後、日本に必要なものとして、「情報収集」を掲げた。本場の欧州、米国との距離はあるが、「情報をよく収集して、いろんな方と情報を共有する。それから積極的に海外に出ていったり、素晴らしい選手やコーチを招いて、肌で素晴らしいものを体験する。こういうことが必要かなと思います」と、交流の面でも世界との距離を縮めていくべきとした。
金メダルなしに終わった理由は「まだまだ発展途上の選手が多いです。あるいは、体調が万全でなかった選手もいる」と指摘。「きっちり狙った大会に照準を合わせて、ベストを尽くすように環境を整えていく。そういうことができればメダルを量産できると思いますので、期待をしていてください」と報道陣に呼びかけた。
ソウル五輪で見せたバサロスタートからの力泳は日本中を熱狂させたが、「今の選手には私、金メダリストだと思われてないと思う。スポーツ庁のおっちゃんだと思われてる」と苦笑い。しかし、「私の経験から言うとですね、世界の選手は狙った大会は命がけで来ますので、気迫と準備、執念、エネルギーの量、熱さ、それへ向けた努力の量が最終的に結果に表れると思いますので。狙った大会、3年後なら3年後にエネルギーをためながら最後、マグマのように爆発してもらいたい」とさわやかに、しかし熱く語った。