川内 メダル狙う!“最強市民ランナー”日の丸ラストラン「大したコースじゃない」
「陸上・世界選手権」(4日、ロンドン)
陸上の世界選手権ロンドン大会の男女マラソンは、6日に史上初めて男女が同じ日に開催される。4日は日本代表が会見し、男子で日本代表として最後のレースと表明している“最強市民ランナー”川内優輝(30)=埼玉県庁=も出席。70回に及ぶマラソン経験を武器に、05年ヘルシンキ大会で3位になった尾方剛以来、男子12年ぶりのメダルに挑戦する。
マラソンランナー川内優輝のすべてを42・195キロにぶつける。ついに迎える“日の丸ラストラン”。公式会見に出席した川内は「3回目の世界選手権ですけど、今までよりはるかに順調」と、引き締まった表情で話した。日本マラソン界に一石を投じてきた公務員ランナーは、揺るぎない自信をもって最後の世界大会に挑む。
川内が培ってきた経験が、最も生きる舞台といっていい。気温は日中でも20度を少し上回る程度。ともに18位だった過去2回の世界選手権で暑さに苦戦した川内にとって絶好のコンディションだ。
「ロンドンに入っても、涼しくていい練習ができている」とニヤリ。周回コース前半から中盤のテムズ川沿いの直線はほぼ平たんだが、この時期は気まぐれな風が吹きつけ、体力を奪う。
注意が必要なのは終盤の市街地コース。歴史的な建造物に囲まれ、ヘアピンカーブや、ほぼ直角に曲がる道が入り組み、見通しが悪く道幅も狭い。目が粗く、凹凸の激しい石畳を走ることも強いられる。
タフさと対応力が問われるが、どんな状況下でも走り続けてきた経験が存分にものを言う。「テクニカルなコースだけど、他の欧州のレースではもっとひどいのがある。70回のマラソンに比べたら、大したコースじゃない」と言ってのけた。
男子は05年大会以来、メダルから遠ざかる。「日本代表を背負う以上、目標はあくまでメダル。燃え尽きたい」。“最強市民ランナー”の完全燃焼の先に、奇跡が待っている。