多田激走 ボルトに50メートル付近まで先行!大舞台で堂々ラン
「陸上・世界選手権」(4日、五輪スタジアム)
男子100メートル予選が行われ、日本選手権短距離2冠のサニブラウン・ハキーム(18)=東京陸協=は自己タイの10秒05で2組1位となり準決勝に進んだ。多田修平(21)=関学大=は10秒19で6組4位、ケンブリッジ飛鳥(24)=ナイキ=は10秒21で4組4位で、各組3位以内を除くタイム上位6人の中に入り、予選を突破。五輪、世界選手権を通じて初めて、この種目の日本勢3人全員が準決勝に進出した。
伸び盛りの勢いは、初の世界の舞台でも通用した。多田は、持ち前の加速で50メートル付近までボルトに先行。あのボルトが横目で多田の存在を確認するなど、見せ場タップリのレースだった。終盤失速し4位に終わったが、準決勝に進出。「前半は1位でいけて良かった」と、端正なマスクを崩した。
6月に追い風参考ながら9秒94を出し、一気にブレーク。注目を集める中で迎えた6月の日本選手権で2位に入って代表権を獲得するなど、大舞台での強さを見せつけている。
予選の組み分けが出たのはスタート30分前。ボルトの隣のレーンだったが「うれしさが一番大きかった」と、雰囲気を楽しむ余裕があった。
大会前から日本のテレビ中継のテーマソング、織田裕二の「All my treasures」を聴き始めた。重圧の掛かる舞台を、誰よりも楽しんでいる。