有終3連覇見たかった!?ロンドンっ子、ガトリン“悪役V”に大ブーイング
「陸上・世界選手権」(5日、五輪スタジアム)
男子100メートル決勝が行われ、今大会限りで現役を引退するウサイン・ボルト(30)=ジャマイカ=は9秒95の3位で3連覇を逃した。ジャスティン・ガトリン(35)=米国=が9秒92で6大会ぶりの金メダルに輝いた。
魂のジェスチャーだった。先頭でゴールを駆け抜けたガトリンに、容赦なくブーイングが浴びせられる。感情を爆発させながら、35歳は左手人さし指を口にあてた。
06年に2度目のドーピング違反で4年間の資格停止処分を受けた過去がある。国際大会ではクリーンなボルトが英雄扱いされる一方で、“悪役”として位置付けられ、国際大会では常にブーイングを受けてきた。最大のライバルを下し、12年ぶり、そして100メートルでは史上最年長での金メダルに「自分を支えてくれる人たちのために走った。ボルトの最大のライバルでありたいと思って毎年やってきた。言葉にならない」とトラックにうずくまり、歓喜の涙を流した。
これが個人ラストランだったボルトにもひざまずいて敬意を示し、最後は抱擁を交わした。ボルトからはこう声を掛けられたという。「おめでとう。君にこのブーイングは値しない」-。