サニブラウン日本初!200も準決勝進出 スタート出遅れも粘って2着確保
「陸上・世界選手権」(7日、ロンドン競技場)
男子200メートル予選が行われ、日本選手権短距離2冠のサニブラウン・ハキーム(18)=東京陸協=は20秒52で1組2着となり、100メートルに続いて準決勝進出を決めた。世界選手権の同一大会で100、200メートル両種目とも準決勝に進むのは、日本史上初。16年リオデジャネイロ五輪400メートルリレー銀メダルメンバーの飯塚翔太(26)=ミズノ=は20秒58で7組4着だったが、ゴール後、上位選手に失格が出たため2着に繰り上がり、急転予選突破が決まった。
歯を食いしばって、前に出た。サニブラウンのスタート反応タイムは、7人中最も遅い0秒221。完全に出遅れていた。コーナーを抜け、直線に入ったところでは、4人が横一線の2着争い。最後は必死の粘りで胸の差で2着を確保し、200メートルでは2大会連続の準決勝進出を決めた。
「やばいと思った。前半は結構(スピードが)出ていなくて、後半は若干、無理する形になった。でもこれはこれでよかったかな」。100メートルのように鮮やかな予選突破とはいかなかったが、しっかりと底力を示した。
世界基準のタフさを見せつけた。世界選手権の同一大会で100、200メートルともに準決勝進出は日本初の快挙だ。ただ、そもそも日本選手は負担を考慮し、1種目に集中することが多く、2種目に挑戦すること自体が少なかった。世界選手権で短距離2種目に挑戦したのは、97年アテネ大会、99年セビリア大会の伊東浩司、15年北京大会の高瀬慧の3例だけだった。
五輪や世界選手権で2冠を達成してきたボルト(ジャマイカ)がそうであったように、海外選手は100、200メートル2種目、もしくは200メートルと400メートル2種目を走るのがスタンダード。準決勝敗退に終わった100メートルから中1日。トップ選手が受ける疲労、重圧を体感しながら、さらなるステップアップにつなげようとしている。
次は9日(日本時間10日早朝)に行われる準決勝。ロンドン五輪銀メダリストで200メートル予選でも同組だったブレーク(ジャマイカ)と同じ2組に入った。予選の通過タイムは、24人中18番目と現実的には厳しいが「しっかり切り替えて、目標の決勝に行きたい」と意気込んだ。03年パリ大会で銅メダルを獲得した末続慎吾以来のファイナルへ、そのポテンシャルを爆発させる。