柔道・阿部一二三「まだ1回王者になっただけ」日本選手団が帰国
3日までブダペストで行われた柔道の世界選手権で金メダル8個を含むメダル計13個を獲得した日本代表選手団が5日、成田空港に帰国した。
男子66キロ級で初優勝した20歳の阿部一二三(日体大)は「まだ世界王者に1回なっただけ。東京五輪に向けて、ここからまた努力したい」と現状を冷静に受け止めた。今大会は、目標としていたオール一本勝ちはできなかっただけに「しっかり決めきれない部分があったので、そこを修正しないと。まだ完璧ではない」と課題を見据えた。
大会初日の男子60キロ級で優勝した高藤直寿(パーク24)は「阿部選手、橋本選手、ウルフ選手がいい勝ち方をして、優勝から一週間経ったので(喜びは)正直忘れた」と、自身の存在感が薄れたことに苦笑い。また、空港では花束を受け取るセレモニーが行われたものの一般客が少なかっただけに「もっと柔道が注目されるようにお願いします」と報道陣に協力を呼びかけていた。
◆金メダリストのコメント
男子73キロ級・橋本壮市「(自身の試合前に優勝した)高藤と阿部にすごくプレッシャーをかけられ、夜も眠れず足も震えちゃったが、勝ててよかった」
男子100キロ級・ウルフ・アロン「ギリギリの戦いで、持ち味の粘り強さを出せた。ここでおごることなく次の戦いに向けて頑張りたい」
女子48キロ級・渡名喜風南「まさか優勝できるとは思っていなくて、すごくうれしい。まだ日本一にはなっていないので(同階級の近藤を)追いかけたい」
女子52キロ級・志々目愛「(五輪女王の)ケルメンディ選手に勝って優勝できたのはすごく自信になった。これで満足せず次に向けて頑張る」
女子70キロ級・新井千鶴「2年前は(日本女子で)自分だけメダルを獲れなかったので、何としても優勝したかった。東京五輪に向けて取るべき大会を一つ一つ勝って(チャンスを)つないでいきたい」