マリリン涙…LS北見が初五輪決めた!自身設立のチームで8年目の悲願達成

 「カーリング女子・平昌五輪代表決定戦、LS北見9-5中部電力」(10日、アドヴィックス常呂カーリングホール)

 昨年の全日本選手権覇者のLS北見が、初の五輪出場を決めた。3戦先勝方式で行い、第4試合で中部電力を9-5で下し、3勝目を挙げた。トリノ、バンクーバー五輪代表で主将のリザーブ本橋麻里(31)は、自身が設立したチームで悲願の五輪切符。前回の代表決定戦で中部電力の選手として出場し、敗れたスキップ藤沢五月(26)は初の五輪だ。

 3度目の五輪切符を手にしたその瞬間、氷の上の仲間4人が抱き合って喜ぶのをよそ目に、本橋は冷静に最後の1投をスコアブックに記した。リザーブという立場で臨んだ今大会。スタンドからシートに降りると、後輩たちが「麻里ちゃん!!」と駆け寄ってきた。ハグで喜びを分かち合い、湧き上がる実感。「このメンバーに感謝したい」と涙した。

 2006年トリノ、10年バンクーバー五輪を経験した本橋だが「心に余裕がなかった」。チームメートはあくまでライバル。甘えは許されなかった。カーリング漬けの毎日に疲れ「何に向かって戦っているんだろう」と悩んだとき、10年五輪選手村で見たスウェーデン選手らの「人生を輝かせる1つのツールとしてのカーリング」という姿勢に共感した。同年8月、地元・北見市常呂町にチームを設立した。

 「選手ゼロ、スポンサーゼロ」からのスタート。個性を伸ばすチーム作りを目指したが、発案当時は「無理なんじゃない?」とあしらわれることも少なくなかった。それでも故郷に凱旋した本橋に声を掛けてくれた企業の支援を受け、自立。午前は仕事、午後はカーリングという生活スタイルで競技との両立を図った。あれから7年、現在は母として育児と競技を両立し、ついに五輪をつかんだ。

 「オールラウンドプレーヤーを控えにしたい」(小野寺コーチ)との意向もあり、今季からリザーブを務める本橋。アクシデントなどがなければ出場機会は少ない。普段の練習は一緒に行うが、公式練習ではストーンを動かし、スムーズな進行をサポートした。必要書類の申請や日本協会とのやりとりも本橋の仕事だ。若い選手を支えながら裏方業務をこなす姿を小野寺コーチは「本当によくやってくれた」と絶賛した。

 次は5カ月後の五輪で金メダルを目指す戦いが始まる。「出られなかった悔しさ半分、燃えさせてくれる後輩たちがいて幸せです」。マリリンの新たな挑戦が始まる。

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