日馬富士待った伝わらず…悔やみきれぬ初黒星「もったいない」

 「大相撲秋場所・3日目」(12日、両国国技館)

 7年ぶりに平幕に陥落した琴奨菊が横綱日馬富士を寄り切り、初金星を挙げた。一人横綱の日馬富士は待ったを訴えたが認められず、手痛いミスで初黒星。3日目を終えて全勝力士は平幕だけとなった。

 目を疑うような光景だった。つっかけ気味にぶつかった直後、ふわりと上体を起こした日馬富士。待ったを伝えるように、右手で琴奨菊の背中をポンポンとたたいたものの前進は止まらず、力なく土俵の外へ。だが、無情にも琴奨菊に軍配が上がった。

 3横綱1大関が欠場し、一人横綱の責任がのしかかる中で喫した悔やみきれない初黒星。ぼう然とする日馬富士は、疑問をぶつける報道陣に「見ての通り。もったいない」と答えるだけだった。

 悪いデータもあった。この日を含めた最近10場所の3日目の成績は3勝7敗。“魔の3日目”にのまれてしまったのだろうか。大事なのは引きずらないこと。日馬富士は「あしたはあした。今日は今日」と言い残して去って行った。

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