稀勢の里「復活」宣言 3場所連続休場から逆襲だ!
左上腕部などの負傷で大相撲秋場所を全休した横綱稀勢の里(31)=田子ノ浦=が29日、地元茨城県の笠間稲荷神社で横綱土俵入りを披露し、「復活」の2文字を自ら口にした。九州場所(11月12日初日、福岡国際センター)復帰へ並々ならぬ決意で、10月2日の全日本力士選手権(両国国技館)、同5日からの秋巡業とフル参戦の予定。3場所連続休場の悔しさをバネに逆襲する。
稀勢の里が故郷から再出発の一歩を踏み出した。初めての全休を問われると「悔しさがある。復活しようと(体を)休むより動かして毎日毎日過ごした。朝から晩まで相撲のことを考えていた」と、自ら「復活」の2文字を用い決意表明した。
相撲がしたくてうずうずだ。すでに部屋では土俵に入り、若い衆相手に稽古を繰り返している。「かなりいい状態」と納得顔。左上腕部などの回復にも「7月(名古屋場所)に比べると何倍も良くなっている。(負傷した3月から)半年たった。これからだと思う。筋肉、感覚が戻ればいい相撲が取れる」と自信満々に言い切った。
3横綱不在でも盛り上がった秋場所は幕内阿武咲(21)=阿武松、貴景勝(21)=貴乃花=ら若い力が台頭。「わくわくしながら見てた。また違う刺激をもらって自分もあそこでやるだけ」と闘志に火は付いた。そして一人横綱日馬富士(33)=伊勢ケ浜=が大逆転V。「さすが横綱。学ぶところもあった。あきらめないのは素晴らしい」と称賛した。
10月2日の全日本力士選手権は昨年覇者として連覇を目指す。同5日からの秋巡業はフル参戦し関取衆との猛稽古で仕上げていく。
土俵入りでは3000人から熱い声援を受けた。「しっかり15日間、相撲を取るように。元気な姿を見せ故郷に恩返ししたい」。迷いはない。今度こそ強い稀勢の里を取り戻す。