白井 個人総合4位など3種目で決勝進出 内村負傷に決意「僕が代わりをする」
「体操・世界選手権」(3日、モントリオール)
男子予選が終了し、2日に演技した日本代表の白井健三(21)=日体大=は個人総合で合計85・697点の4位、種目別の床運動で15・766点の1位、跳馬で14・949点の2位となり、3種目で決勝に進んだ。種目別で跳馬の安里圭亮(24)=相好ク=は14・716点の4位、鉄棒の宮地秀享(22)=茗渓ク=は13・966点の8位で予選を通過した。決勝は予選の得点を持ち越さず、個人総合が上位24人、種目別が上位8人(いずれも各国・地域最大2人)で争われる。
エース内村が去った男子の日本代表を、白井が引っ張る。予選で個人総合が4位、種目別の床運動が1位、跳馬が2位。「欲を出さずにいつも通りいけと言われていた。作戦通り」と満足感を示した。
初出場の個人総合では鉄棒で落下するミスが出たが、5位だったリオデジャネイロ五輪銀メダルのオレグ・ベルニャエフ(ウクライナ)を上回り、審判員に総合力が上がったことをアピールした。世界一に2度輝いた床運動では2位に0・733点の大差をつけ、跳馬でも完成度の高い跳躍を2本そろえ、メダル三つを視界に捉えた。
決勝を見据え、得意種目で出来栄えを示すEスコア(実施点)で好評価を得たことが収穫だった。難しさと美しさの両立ができ、予選で師と仰ぐ内村が途中棄権しても動じない精神力の強さを発揮した。
「今まで頼ってきたので、僕が代わりをするので楽をしてくださいと言っても大丈夫かな」。無念で演技を終えた先輩の思いも背負い、日本の主役を担う覚悟ができている。