多田修平 苦笑いの国体初V 右膝痛で10秒22 来季こそ9秒台!
「愛媛国体・陸上競技」(7日、ニンジニアスタジアム)
陸上100メートルの成年男子決勝は、世界選手権400メートルリレー銅メダリストの多田修平(21)=関学大=が10秒22で初優勝した。
飛躍のシーズンの個人種目を苦笑いで終えた。スタートで先頭に出た多田だったが、加速できないまま後続を引き離せずにフィニッシュ。ライバルが不在の中で1着となったが、「内容が悪すぎた。ピッチが上がらず全然ダメだった」と首をひねった。
序盤の爆発的な加速を支える肉体は限界に近づいていた。連戦の疲労で右膝裏に痛みを抱えており、毎日のマッサージや週一回のはり治療を欠かさない。テーピングで患部を固定する中で予選から3レースをこなし、「優勝できたことは本当にうれしい」と胸をなで下ろした。
個人種目は今季最終戦。日本歴代7位の10秒07を記録するなど大きく飛躍した一年を振り返り、「世界選手権にも出たり、昨年は想像できなかった」と、立ち位置の劇的な変化に感慨深げだった。
目標の9秒台に向けてオフは課題の筋力強化に励む。「最後は悔しい形になったが、(来季は)桐生選手、山県選手に食らいつけるようなタイムを出したい」。浪速の新星は、来季こそ国内最速を狙う。