村上茉愛 涙の4位 平均台で落下響き…メダルまであと0.100点届かず

 「体操・世界選手権」(6日、モントリオール) 

 女子個人総合決勝が行われ、予選を首位通過した21歳の村上茉愛(まい)=日体大=は4種目合計54・699点にとどまり、メダルに0・100点届かずに4位だった。平均台の落下が響き、日本勢で09年ロンドン大会銅メダルの鶴見虹子以来の表彰台を逃した。18歳の杉原愛子(朝日生命)が53・965点で6位に入り、日本協会によると同種目で2人そろっての8位入賞は初めて。16歳のモーガン・ハード(米国)が55・232点で初優勝し、米国に5大会連続の金メダルをもたらした。

 3種目目の平均台で落下したが、村上は諦めなかった。最後は得意の床運動。H難度の大技「シリバス(後方抱え込み2回宙返り2回ひねり)」の着地後にジャンプも続けて加点を狙い、跳躍系では着地をほぼ止めた。決勝で予選の得点を上回る全体1位の14・233点。4種目合計で表彰台に0・100点届かなかったが、日本のエースは意地を見せた。

 予選首位の重圧は想像以上だった。食事は喉を通らず、夜は眠れない。「体操人生の中で一番」という緊張感に襲われた。平均台は片足立ち2回ターンでバランスを保つことができなかったが、欧米勢との勝負で必死に演技した。日体大で厳しく指導する瀬尾コーチから「よく頑張ったね」と抱き締められると「大学に行ってから初めて」と村上の目からは涙があふれた。

 国内の代表選考会では無類の強さを見せたが、世界でのメダル争いには平常心で臨めなかった。「まだ練習が足りない」と嘆いた第一人者には、リオデジャネイロ五輪では7位だった床運動の種目別決勝で金メダルに挑む好機が残っている。「この重圧の中でできたので、もう緊張はしない」。味わった悔しさを無駄にはしない。

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