“30歳の1年”東京国際大・渡辺が箱根出場権に貢献「おじさんも負けない」
「箱根駅伝予選会」(14日、立川駐屯地~国営昭和記念公園=20キロ)
10大学に与えられる本戦の出場権をかけた予選会が行われた。明大、日大といった名門校が本戦出場を逃した中、東京国際大は上位10人の合計タイム10時間10分34秒でギリギリの10位に入り、2大会ぶり2度目の本戦出場を決めた。“30歳の1年生”として話題になった、元日清食品グループの渡辺和也も出場権獲得に貢献した。
世界を知る30歳の“オールドルーキー”も若い選手たちとともに、箱根切符を手にした。1年生の渡辺和也は今春に実業団の日清食品グループを退社し、東京国際大に入学。2011年世界選手権5000メートル代表などで活躍した実力派ランナーは、20キロではまだまだスタミナ不足ながら、チーム9番手でゴールし、切符獲得に貢献した。「若い奴は速いな~って思いながら、でもおじさんも負けないという気持ちで走った。みんなで取れた箱根切符。うれしさの方が大きいですね。みんないいやつばかりだし、4年生は最後の箱根なので、ここで引退させたくはなかった。今まで経験してきた駅伝の中で最高の喜び」と、笑顔で汗をぬぐった。
日清食品を事実上の“戦力外”となり、指導者への道を模索するため、大学入学を決めた。同じ1年生には干支が一回り違う選手も。アイドルも自身が若い頃はモーニング娘。だったが、今の選手たちは乃木坂46。ジェネレーションギャップも感じつつ、若い選手たちとの生活に充実感を感じている。
30歳で迎える箱根駅伝。「まだ想像がつかない。もっと走れるスタミナをつけて、監督に任されたところをしっかり走れるようにしたい」。箱根路にひと味違う円熟の走りを刻み込む。