高木美帆 平昌へ最高発進! 国内最高で2連覇も慢心なし「うぬぼれないように」
「スピードスケート・全日本距離別選手権」(20日、長野市エムウェーブ)
平昌五輪シーズンの開幕を告げる大会が開幕し、女子1500メートルでは高木美帆(23)=日体大助手=が1分55秒44で自身の持つ国内最高記録、大会記録を大きく更新し、2連覇を飾った。2位には1分57秒87の国内自己ベストをマークした小平奈緒(31)=相沢病院=が入った。男子500メートルは山中大地(27)=電算=が34秒92で初優勝。日本記録保持者で10年バンクーバー五輪銅メダリストの加藤条治(32)=博慈会=が35秒10で4位に入り、存在感を示した。
まだまだ粗削りでも、その滑りは夢舞台での大仕事を予感させた。ゴールを滑り抜けた高木美は、力強くガッツポーズ。五輪シーズン初戦で自身の国内最高記録を0秒63と大幅に更新。決して体調は万全ではなく「体が疲れている状態で、“去年の記録を超えられるかな”とナーバスになってた。気持ちの部分に乗り越えられたので、ガッツポーズで(喜びを)かみしめた」と、笑顔で汗を拭った。
昨季は世界オールラウンド選手権で日本女子17年ぶりの銅メダルを獲得するなど大きな成長を見せた。さらなる進化を目指し取り組んで来たフィジカルの強化が、早速成果として表れた。「単純に一歩の押す力が上がっている。その分、スピードが出せるようになってる」。700メートルの通過で、短距離のエース小平奈緒を0秒33上回るなど、パワーアップを見せつけた。
ただ、4年前にソチ五輪代表落ちの苦い経験した23歳に、まだ慢心はない。「まだ馬力で滑っている感じ。このままではシーズンの中で頭打ちになる時がくる。技術を上げていきたい。まだ海外選手と滑ってどうなるか分からない。自信を持ちつつも、うぬぼれないようにしたい」。中学生で出場したバンクーバー五輪から8年。かつてのシンデレラガールは、真の強さを身に付けようとしている。