「大相撲九州場所」（１２日初日、福岡国際センター）

　右足首の負傷などで秋場所を全休した横綱鶴竜（３２）＝井筒＝が２日、出稽古を開始し、福岡県内の時津風部屋で十両蒼国来（荒汐）、幕内正代（時津風）を相手に計１１番取り、全勝と上々の動きを見せた。

　立ち合い、強い踏み込みから低く当たって、圧倒。寄り切り、押し出しと本来の素早い攻めが戻って来た。最後は豪快にすくい投げ、土俵外にはわせた正代を「大丈夫？」と気遣う余裕もあった。

　患部の不安は完全に払しょく。「しっかり踏み込めて良かったと思う。普通にできている」と納得顔で話した。今後も出稽古を続け仕上げていく。

　今年は５場所中、４場所で休場。進退のかかる九州場所へ「しっかり準備して、場所に入って流れをつかむことが大事」と力を込めた。