真凜、笑顔と自信「取り戻せた」 前回の出遅れ改善6位発進!妹の“喝”に応えた
「フィギュアスケート・中国杯」(3日、北京)
女子ショートプログラム(SP)で、第2戦スケートカナダ5位の本田真凜(16)=大阪・関大高=は66・90点で6位だった。第1戦ロシア杯3位の樋口新葉(16)=東京・日本橋女学館高=が70・53点で2位。今季GP初戦の三原舞依(18)=シスメックス=は本田と同じ66・90点だったが、技術点で下回り7位となった。昨季の世界選手権3位のガブリエル・デールマン(カナダ)が70・65点で首位発進。フリーは4日に行われる。
真凜スマイルが帰ってきた。女子で2枠の五輪代表を争う樋口、三原との直接対決で6位発進。点数的には決して納得のいくものではない。しかし、何よりの収穫は失いかけていた自信を少しだけ取り戻せたことだ。「不安もあったけど、一つ一つ丁寧に大切に滑れました」。はにかむ顔に輝きが戻った。
演技の冒頭はフリップ-トーループの3回転の連続ジャンプ。トーループで回転不足の判定を受けたが、そのほかはミスなく滑りきった。SP10位と出遅れたスケートカナダではボロボロだったスピンやステップでも最高評価のレベル4を獲得した。「一番の収穫。次への自信にもなったので、練習から気をつけてできたら」。浜田コーチから何度も指摘された練習不足について、ほんの少しだけ“改心”したようだった。
気分屋の真凜の心に刺さったのは1通のメールだった。「スピンやステップのレベルを取りこぼすな!!」。最終的に5位だったスケートカナダの直後、一番下の妹・紗来(10)から届いた。
「素直な意見を言ってくれるのはきょうだいしかいない。すっごい辛口なことを言われるけど、全部受け止めて、改善した演技ができたらいいなって思っていた」
妹から“喝”を入れられ、集中していた真凜に演技直前、浜田コーチがささやいた。「真剣な顔は似合わないよ」。思わず噴き出した。肩の力が抜けた。現地のファンからも歓声を受けながら、柔らかく、笑顔で舞った。自己ベストには約1・5点足りないが、前戦よりは14点アップ。姉としての面目をなんとか保った。
前戦よりもジャンプの難度を下げ、しっかりと演技した。シニアにおける現在地は確かめられた。「直すところもたくさんあるけど、SPの自信を取り戻せたのでよかった」。4日はフリー。真凜にとって、ここからが本当のスタートだ。