羽生結弦がNHK杯欠場 GPファイナル5連覇幻に コーチ明かす「結弦は泣いていた」
「フィギュアスケート・NHK杯」(10日、大阪市中央体育館)
9日の公式練習中に右足首と右ひざを負傷したソチ五輪金メダリストで、世界王者の羽生結弦(22)=ANA=の欠場が決まった。帯同しているブリアンコーチが「結弦はショックを受けて、泣いていた」と、明かした。羽生は今大会に前人未到の5連覇が懸かる12月のGPファイナル(名古屋)進出が懸かっていたが、可能性が消滅。また、66年ぶりの連覇の懸かる平昌五輪への調整にも影響が出る可能性が出てきた。
同コーチは「治療の計画を立てて、全日本に照準を合わせて、治ればいいんだけど」と、五輪最終選考会となる12月の全日本選手権(調布)に向けて調整していくとした一方で「五輪まで3カ月。そこで勝つのが彼の目標だ」と、あくまで五輪連覇を最終目標に掲げた。
羽生は9日の午後に行われた公式練習で、4回転ルッツを跳んだ際に鈍い音とともに右足をひねる危ない形で転倒。その後、しばらく立てず、右足を気にしながら、ゆっくり周回した後、右足をひきずりながら一度練習を中断し、リンクサイドへと下がった。その後、氷上へと戻ったが、険しい表情を浮かべたまま、なかなか練習は再開できず、フリー「SEIMEI」の曲掛けの練習でも、簡単な振り付けの確認に止め、ジャンプは跳ばず。最後のスピンまでは何とか確認したが、曲掛けの練習が終わると、いち早くリンクを後にし、関係者の車ですぐに会場を後にした。
治療のため、同日夜に設定されていた公式会見を欠席。この日午前の公式練習にも姿を見せず。日本スケート連盟側には出場の意思を示しており、日本連盟の小林芳子強化部長は「競技に出られるように、今、必死に治療を頑張っています」と説明していた。