山口総監督、最後は涙無し「名前が変わっても頑張ってくれると思う」
「全国高校ラグビー京都大会・決勝、京都成章22-14伏見工・京都工学院」(12日、宝が池球技場)
伝統の伏見工ラグビー部の歴史に幕-。伏見工・京都工学院が京都成章に敗れ、2年ぶり21度目の花園出場を逃した。昨年4月の学校統合により合同チームで登録してきたが、来年度以降は「京都工学院」単独チームに移行する。「伏見工」の冠を背負う最後の闘いが終わり、山口良治総監督(74)や元日本代表・大八木淳史氏(56)ら多くのOB、ファンが別れを惜しんだ。
スタンドから伏見工の最後の闘いを見届けた山口総監督は、「ちょっと(反撃が)遅かったけど、最後のトライはあきらめずによく取った。最後までいい試合でした」と選手たちをねぎらった。
弱小校だった伏見工を熱血的な指導で全国区の強豪に育て上げ、元日本代表主将で代表監督も務めた故平尾誠二氏らを輩出した山口総監督。「もっとキックを使って、敵陣で戦うことを徹底してもよかった」と指摘し、「勝つためにグラウンドに立つのだから、いかに勝つかだ」とゲキを飛ばした。
「素晴らしい先輩たちの伝統を引き継いで、名前が変わっても頑張ってくれると思う」。新たな歴史を見据える「泣き虫先生」の目に、最後まで涙がこぼれることはなかった。ただ、ひたすら強く、チームが強くなることを願っていた。