新小結・阿武咲がまた日馬富士を撃破 八角理事長も高評価「たいしたもの」
「大相撲九州場所・初日」(12日、福岡国際センター)
新小結阿武咲(21)=阿武松=が先場所優勝の横綱日馬富士(33)=伊勢ケ浜=から2場所連続の白星を挙げた。お互い低くぶつかると、タイミングよくはたき込んだ。横綱白鵬は平幕琴奨菊を上手出し投げで破ったが、横綱稀勢の里は筆頭玉鷲に敗れ、2横綱が黒星スタート。大関の豪栄道と高安はともに初日を白星で飾った。
勢いは九州でも止まらなかった。新入幕から3場所連続2桁白星を挙げて一気に小結に駆け上がった阿武咲。いきなり結びの横綱戦を突破し、「最高です」と喜んだ。
相手は先場所に初金星を挙げた日馬富士。阿武咲は低く当たると、「相手の頭も自分に合わせようと下がった」と冷静に察知。タイミング良くはたき込むと、日馬富士は頭から飛び込むようにバッタリ。同じはたき込みで前方に1回転させた先場所の対戦を再現したかのようだった。
三役初日ながら「自分も滑ったんですけど、相手の手がつくのが見えた」と冷静さを保って手にした白星。八角理事長(元横綱北勝海)も「合格だよね。新三役で物おじしないであれだけ当たれるのだから、たいしたものだ」も評価した。
今場所からまわしの色を赤から紺に変えた。その理由を「新三役に上がったので心機一転。初心を忘れずに、と紺にしました」と説明する。とんとん拍子の出世にも気持ちは緩まない。
2日目の相手は初顔合わせの横綱稀勢の里。十両時代に何度も胸を借り、「勝つのが恩返し」と話していたほどで、この日も土俵下から取組を見て「かっこいいと思った」という。待ち焦がれた一番へ「自分のやるべきことに集中する」と表情を引き締める。強烈な恩返しで九州の地を再び沸かせるか。