白鵬、日馬富士の暴行事件で新証言 暴行「事実」もビール瓶での殴打と馬乗り否定
大相撲の横綱日馬富士(33)=伊勢ケ浜=が10月25日夜から26日未明に平幕貴ノ岩(27)=貴乃花=に暴力を振るってケガを負わせた問題で、酒席に同席していた横綱白鵬(32)=宮城野=が16日、事実関係に関して新証言した。朝稽古後と取組後の2回、殴打にビール瓶は使われず、馬乗りにもなっていないと訴えた。暴行のあった翌日、両者が和解したことも明らかにした。また、同席していたことを受けて謝罪した。証言が真実なら日馬富士の処分にも影響するが、相撲協会として今は、傷害罪で捜査に乗り出している警察に一任するしかない考えを強調した。
白鵬が重い口をやっと開いた。朝稽古後「私はその場にいたわけですし、やっぱり貴乃花部屋…貴ノ岩関が休場したということで相撲界、世間に申し訳ない思いでいっぱいです」と謝罪。「本当に実際手を出したのは事実」と暴行があったことも認めた。一方で事実関係が違うことを指摘した。
酒席では生活態度を注意された貴ノ岩がスマートフォンを気にしたことに日馬富士が激怒。ビール瓶で殴打し、20~30発は手で殴ったとの証言もある。
「報道されているようなビール瓶、これは殴っておりません。ビールが暖かいところ(部屋)に出てくると水(滴)がいっぱい出てきますよね。持ったのは持ったけど滑り落ちました。その後に私が間に入って、私が部屋から連れ出しました。あと、馬乗りになったのは事実ではないですね」と否定した。
さらに当事者2人の間では和解が成立していたと明かした。「その場で貴ノ岩関が日馬富士関に謝っていましたし、次の日巡業もありましたが(2人の)明け荷が隣だったし、『お互い悪かったね』って」と、互いが謝罪している姿を見た。
ただ、診断書は「右中頭蓋底骨折、髄液漏の疑い」。相当な強い力が加わったことは否めない。宴席に参加した他の力士らの証言とも大きく食い違うことにも疑問が残る。
新証言を伝え聞いた協会は、すでに傷害事件で警察が捜査している以上、今は全面協力するだけ。捜査結果を待ち、来月中にも処分は迅速に行う意向だ。広報部長の春日野親方(元関脇栃乃和歌)は「警察が入っている限りはお任せしたい。(白鵬は)私らにではなく警察の前で言うこと。今ごろ言ってもね」と、協会主導で動ける段階を過ぎたと強調した。