宇野昌磨 自信喪失「跳べる気が全くしなくて…」 SP2位発進も4回転で転倒
「フィギュアスケート・フランス杯」(17日、グルノーブル)
男子ショートプログラム(SP)で第2戦のスケートカナダに続く優勝を狙う宇野昌磨(19)=トヨタ自動車=が93・92点で2位発進した。ハビエル・フェルナンデス(スペイン)が107・86点でトップ。女子SPは15歳の白岩優奈(関大KFSC)が66・05点で3位、三原舞依(18)=シスメックス=は64・57点で4位につけた。昨季世界選手権2位のケイトリン・オズモンド(カナダ)が69・05点で首位に立った。
不安が的中した。「気持ちがめいっているというか。跳べる気が全くしなくてつらかった。苦しかった。きつかった」。練習から切れを欠いたジャンプは、本番でも好転しなかった。
冒頭の4回転フリップは回転が足りずに転倒。後半のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)も着氷が詰まった。「練習で失敗しているジャンプがそのまま出た感じだった」と、すんなり受け入れられるほど自信を失っていた。4回転-3回転の連続トーループに成功したことは「少し驚き」とさえ言った。
優勝した10月末のスケートカナダから帰国後にインフルエンザにかかった。39度近い高熱で4日間寝込み、一時は体重が2キロ近く減った。ただ、病み上がりの体力面を不調の原因だと認めることはしない。「気持ちに全く余裕がなかったので笑顔も出なかった」と精神的な揺らぎを課題に挙げた。
表彰台に立てばシリーズ上位6人で争う地元名古屋開催のファイナル(12月7~9日)進出が決まる。「フリーはもっといい演技ができると思う。最後は自分の演技がしたい」と懸命に闘争心をかき立てた。