小平奈緒 W杯通算15勝 岡崎朋美超え!500メートルでは20レース無敗
「スピードスケートW杯」(18日、スタバンゲル)
女子500メートルは小平奈緒(31)=相沢病院=が37秒07で優勝した。W杯通算15勝目。この種目では昨季からW杯の12レースを含め国内外で20レース無敗となった。女子1500メートルは高木美帆(23)=日体大助手=が1分55秒30で第1戦に続いて優勝した。男子500メートルでは山中大地(27)=電算=が34秒65で2位に入った。17日の第1日は小平が500メートル、1000メートルとも優勝。W杯通算勝利数で岡崎朋美を抜いて日本女子単独最多となった。1000メートルは開幕2連勝。
当たり前のように頂点に立った。2位との差は、前日とほぼ同じ0秒78。昨季から出場した500メートルの20レースで全て1位。今季はしかも、37秒台前半を安定してマークしている。完全に独走状態を築き、常々に口にする「自分自身を超える」戦いにまい進している。低地リンクでの自己ベスト更新を「通過点の一つにすぎない」と表した。
五輪2連覇中で世界記録保持者の李相花と連日の同走。爆発的なスタートを武器に数々の栄冠を手にした好敵手のお株を奪うダッシュで先行すると、そのまま差を広げた。誰もが認める強豪を相手に前日は1秒差、この日は0秒88差と圧勝を続ける。
前日には2種目を制し、W杯通算勝利数で憧れの岡崎を抜いた。昨季から急激な成長を遂げた30歳は「私はここ1、2年での話」と長年にわたって世界のトップで活躍した岡崎に敬意を払い、「さらに(勝利数を)伸ばし続けることが大事」と前を向いた。
異次元の速さで勝ち続けるまな弟子に、結城匡啓コーチは「ようやくスイッチが入り始めた」と笑みを隠せない。勝ち続けた昨季よりもさらにタイムを上げながら、「夏の練習の成果を発揮し切れていない。まだ伸ばせる感覚がある」と小平。世界の第一人者の座を確たるものにしつつあるが「ここで評価してしまったら(成長が)ストップしてしまいそうな気がする」と、3カ月後の大舞台へ突き進む。