39歳再入幕の安美錦、男泣き 4連敗から千秋楽に勝ち越し決める「力出る限りやる」
「大相撲九州場所・千秋楽」(26日、福岡国際センター)
39歳の安美錦(伊勢ケ浜)が千代翔馬を上手出し投げで下して勝ち越しを決め、NHKインタビューで男泣きした。立ち合い素早く左差し右上手の形を作ると、体を左に開いてこん身の右上手出し投げ。13歳年下の相手を土俵にはいつくばらせた。
10日目で勝ち越しに王手をかけたが、11日目から4連敗。最後のチャンスで8勝目を挙げ、NHKのインタビューで「毎日毎日やるしかないと思って頑張りました。幕内で通用するかという不安もあった…」と声を震わせて男泣きした。
昨年夏場所で左アキレス腱断裂の重傷を負い、十両まで転落。そこから死に物狂いの努力で今場所は昭和以降最年長で再入幕を果たし、新入幕の00年名古屋場所以来2度目の敢闘賞も獲得した。「負けて泣くことはあっても勝って泣くことはなかった。敢闘賞は申し訳ない感じ」としみじみ話した。
復活ロードを支えたのは家族の声援だった。「子供はみんな力をくれる。子供と妻がいるから頑張れる。感謝したい」と感慨に浸った。今後は横綱と当たるところまで番付を戻すことが目標。「今場所で幕内は厳しいと感じた。いつまでやれるか分からないけど、もう一度稽古をして、力が出る限りやりたい」と前だけを見つめた。