横審、日馬富士問題で決議取らずも、北村委員長「厳しい処分が必要」
日本相撲協会の諮問機関である横綱審議委員会が27日、東京・両国国技館で定例の会合を開いた。横綱日馬富士が貴ノ岩に対して起こした暴行問題について、横審としての結論は出さなかった。ただ、北村正任委員長は問題が発覚した直後と同じく「厳しい処分が必要だろう」という見方を示した。
この日は協会の危機管理委員会による調査を元にした報告がなされた。しかし、被害者の貴ノ岩や、現場に居合わせた白鵬ら、関係者の中に協会として事情が聴けていない人物がいるため、決議を取ることはなかった。
ただ、日馬富士本人も暴力をふるったこと自体は認めており、「暴力があったことはほぼ間違いない」(北村委員長)という状況から、「横審の規則の中に、引退勧告とか、場所を休場させるとか、注意とかありますけど、具体的にどのレベルの処分がという話には今日はなっていません。ただ、厳しい処分が必要だろうという抽象的な話です」との見解だった。
横綱審議委員会は、内規で、成績不振や横綱としての体面を汚すと判断した横綱に対して、出席委員の3分の2以上の賛成で、厳しい順番に「引退勧告」「注意」、「激励」を行うことができるが、理事会の決議と異なり、ただちに横綱の地位に拘束力を持つものではない。
北村委員長は、「危機管理委員会の調査が終わった段階で、報告を受けて審議するための臨時の横綱審議委員会というのを開くことになると思います」と語った。この際、横審が決議する材料とするのは、協会の調査によるものとしている。