大相撲の横綱日馬富士（３３）＝伊勢ケ浜＝が２９日、平幕貴ノ岩（２７）＝貴乃花＝への暴行問題の責任を取り、引退した。

　最高位の栄誉に不祥事で傷をつけた力士は日馬富士以外にもいる。すぐに思いつくのは朝青龍。２００７年に巡業を休むと言いながらサッカーに興じ２場所の出場停止処分を受けた。１０年には優勝した初場所中に泥酔して知人男性に暴力を振るったとされ、責任を取る形で引退した。

　引退した横綱、大関には日本相撲協会から特別功労金が支給される。日本相撲協会は１０年２月の臨時理事会で、朝青龍に特別功労金を支払うことを決定。個人情報保護を理由に金額は公表されなかったが、１億２千万円とみられた。

　退職金総額の内訳は基本額とも言える養老金が、横綱は１５００万円。各番付の在位期間に応じた勤続加算金が２１８０万円。特別功労金と加算すると、約１億５６８０万円とみられた。

　３０日には日本相撲協会の定例理事会が開かれるが、春日野広報部長（元関脇栃乃和歌）によると、優勝９度の日馬富士に対し、特別功労金などを支給するか否かを協議する可能性もある。