日馬暴行は平手で十数回、リモコンで数回 ボトルはなし【協会中間報告要旨】
日本相撲協会が30日、自身の暴行問題で引退した元横綱日馬富士の事案について、危機管理委員会による中間報告要旨を公表した。10月25日に発生した貴ノ岩への殴打について、平手で十数回、カラオケのリモコンで頭を数回殴ったなどと報告されているが、ビール瓶での殴打はなく、シャンパンのボトルを手にした後で、手を滑らせ落としていたと報告された。
配布された中間報告の資料と、危機管理委員会・高野利雄委員長の説明によると、暴行が発生したのは10月25日の会合の二次会でのこと。一次会は貴ノ岩の母校である鳥取城北高校の関係者が卒業生を激励するために開催され、二次会はその場で企画された。このため協会の調査報告に基づけば、貴ノ岩は計画的に呼び出されたわけではないとなる。
一次会では、今年の秋場所中に、都内の飲食店で居合わせた休場力士に苦言を呈した際、「粗暴ないい方」(高野委員長)のため、その場にいた別の客と口論になった。このことを白鵬が説教したが、角界では休場した力士が外出するのは治療などに限るべきとされるため、休場力士に注意をするのは正しいと日馬富士が擁護し、その場は収まったという。
だが、二次会で白鵬が貴ノ岩と照ノ富士に母校への恩を忘れないようにと語りかけた際に、貴ノ岩がスマートフォンをいじっていた。見かねた日馬富士が注意をしたところ、「彼女からのメールです」と返してきたため、平手打ちをした。さらに、貴ノ岩がにらみ返してきて、謝罪もしようとしなかったことを理由にして、日馬富士は謝罪をするよう言いながら平手で頭を十数回殴り、カラオケのリモコンで頭を数回殴ったという。
この後、シャンパンのボトルを日馬富士は手にしたという。危機管理委員会の聴取では「脅すつもりだった」としているというが、ボトルについた水滴で手を滑らせ、殴打には至らなかったと報告書には記されている。
馬なりになったり、物を投げつけたりしたことはなく、白鵬が止めに入り暴行が終わったという。
以上は日本相撲協会の危機管理委員会による調査の中間報告要旨で、警察による捜査とは異なる。