「福岡国際マラソン」（３日、平和台陸上競技場発着）

　２０年東京五輪選考レース出場権と、１８年ジャカルタアジア大会代表選考会を兼ねて行われ、大迫傑（２６）＝ナイキ・オレゴンプロジェクト＝が日本歴代５位となる２時間７分１９秒で日本人トップの３位となり、１９年９月以降に行われる東京五輪代表選考会「マラソングランドチャンピオンシップ（ＭＧＣ）」の出場権を獲得した。日本人２位の上門大祐（２３）＝大塚製薬＝、同３位の竹ノ内佳樹（２５）＝ＮＴＴ西日本＝も基準タイムをクリアし、ＭＧＣの権利を獲得した。

　初マラソンだったボストンマラソン（４月）での日本人２０年ぶりの表彰台（３位）に続き、国内初マラソンでも圧巻の走りを見せた。しっかりと先頭集団に食らいつくと、３５キロ過ぎに遅れた始めたが、その後もしっかりとペースを守り、日本歴代５位の記録を出した。「非常にタフなレースだったけど、自己ベストが出て、非常にうれしい。もう少しトップ争いをしたかったけど、でも最後まで粘れた。自分のやってることに間違いがないことを認識できた」と、充実の表情で汗をぬぐった。

　箱根駅伝を沸かせたスピードランナーは、２０１５年にプロに転向し、米オレゴン州に拠点を移した。「とにかく無駄がない。他人のために競技をやってるわけではないので。常に１００パーセント自分のために競技ができている」と話すトップ選手が集うナイキ・オレゴンプロジェクトにアジア人で唯一参加し、ピート・ジュリアンコーチと二人三脚で着実に進化を遂げてきた。「ここまで信頼できるコーチに日本では巡り会えなかった」。最高の環境のもとで、究極の走りを模索している。

　今回の結果で東京五輪に向けた道も開いた。「東京はまだまだ具体的には考えていない。目の前の１レース１レースの先に東京五輪がある」と、足元を見つめた。