柔道GS初制覇の小川ジュニア14分死闘制し“酸欠”で取材終了
「柔道・グランドスラム東京大会」(3日、東京体育館)
男子100キロ超級が行われ、バルセロナ五輪銀メダリストの小川直也氏を父に持つ、明大3年の小川雄勢(21)が初優勝した。決勝では、リオデジャネイロ五輪100キロ級金メダリストのルーカス・クルパレク(チェコ)と試合時間14分を超える死闘の末、指導差で優勢勝ちした。
五輪王者との決勝は、両者ポイントがないままゴールデンスコア方式の延長戦にもつれ込み、互いに一歩も引かない展開に。小川は先に支え釣り込み足で技ありを奪い、「決まったと思った」とガッツポーズ。しかし、勝負あったかと思いきや、すぐに取り消しとなった。
一度は勝利を確信したが、その後も奥襟を持って攻め手を緩めない。「(11月の講道館杯を制して)せっかくつかんだチャンスなので、優勝しなきゃ意味がないと思ってあきらめずに戦った」。最後は根負けした相手に指導が入り、今度こそ頂点に立った。
意地の張り合いを制した小川は「疲れました。(こんなに長い試合は)初めて。互いに疲れていたが、譲ってはいけないと思った」と大粒の汗。父の直也氏は、息子の14分超えの死闘について「俺も経験がないよ。11分が最高だね」と話し、「技ありが取り消しになっても心を折らず、よく立て直した。成長したな」と目尻を下げた。
試合が終わって30分ほど経過した後に、親子2ショットでテレビインタビューを受けていたが、雄勢は言葉少な。すると、直也氏は「14分も戦ったから(雄勢は)酸欠で頭が真っ白だよ。終わり終わり」と宣言し、取材は途中で“強制終了”となった。