大相撲の元横綱日馬富士に暴行を受け、冬巡業を休場している平幕貴ノ岩（２７）＝貴乃花＝は８日も診断書を提出しなかった。巡業部長代理を務める春日野広報部長（元関脇栃乃和歌）は巡業先の宮崎市で師匠・貴乃花親方（元横綱）とは連絡すら付かない状況であることを明かした。

　「（診断書提出の催促は）何回もやっている。連絡も取れないらしい。それもいかがなものか。別の件で何かあった時はね…。そのために（巡業を外れて東京に）残っているんだから」。暴行問題への対応を優先させるための措置で冬巡業を外れた巡業部長の貴乃花親方と連絡が取れず、イライラを募らせた。

　貴乃花親方は協会の聴取要請も拒否し続けている。５日に続き、この日も危機管理委員会の鏡山部長（元関脇多賀竜）が直接、貴乃花部屋を訪れ、協力などを文書で要請した。

　同部長は何度も貴乃花親方に電話したが、連絡が取れないという。八角理事長（元横綱北勝海）は「電話をしてもかかってこない」と述べた。

　１１日にも元日馬富士は書類送検される見込みで、それを待ち、協会側は貴ノ岩の聴取を行う運びとなっている。しかし貴ノ岩の所在すら不明で、貴乃花親方とは音信不通という異常事態では早期の真相究明、事態収拾へ暗雲すら立ち込めてきた。