五輪連覇懸かる羽生結弦の現状は?小林芳子強化部長が説明「辛い」【一問一答】
フィギュアスケートのソチ五輪金メダリストで、11月のNHK杯の公式練習中に右足関節外側じん帯を損傷した羽生結弦(23)=ANA=について、日本スケート連盟が10日、現状を発表した。小林芳子フィギュア強化部長が、羽生のコメントを代読し、まだ氷上練習を再開できていないことを明かした。平昌五輪代表最終選考会となる全日本選手権(21日開幕・東京)出場は微妙な状況となった。
小林強化部長との羽生関連の一問一答は次のとおり。
-羽生選手の状況は
「2日前に本人サイドと連絡を取り合い、今から発表させてもらいます。本人の言葉です。『だいぶん、よくなりましたが、まだ痛みがあるため、氷上練習はできていません。治療とリハビリを頑張っています』と、いうことです。本人からこのようにコメントしてほしいということで、読ませていただきました」。
-状況を聞いて
「辛いです。特に、たぶんファイナルを見ていなくても、情報は入ると思う。彼にとってファイナルは成績よりも、ここが一番大切な場所だと思う。そこにきて優勝しなかったとかではなく、この場に入れないというのは苦しいだろうなと思う。これは私の感想です」
-全日本に向けては
「彼も全日本に向けて、リハビリと治療に励んでいるんだと思いますが、私はもちろん、全日本に出てくれると嬉しいですが、それがその後にどう影響するかというのは、もっともっと今から連絡を密にとってやりとりしていきたいと思います。まだ2週間ある。今、出て欲しいとか、どうして欲しいというのは、私の口からはいえない」
-今の段階で氷に乗っていないというのをどうとらえる?
「私もNHKの転んだところを見ていますから、大変な痛みがあるのはよく分かる。全日本はもちろん日本の最高峰の大会ですし、大切な選考のための大会です。しかし、今季はオリンピックという大きな目標がありますので、それを踏まえて全日本を考えていきたい」
羽生は11月9日のNHK杯の公式練習中に4回転ルッツを跳んだ際に転倒し、右足関節外側じん帯を損傷。「10日間の絶対安静と、その後(氷上にのり)、3~4週間で元に戻る」と、完全復帰まで4~5週間の見通しを示し、全日本出場に意欲を見せていた。負傷からこの日で、約1カ月が経過。当初の見通しより、回復が遅れていることになる。
現在は拠点のカナダ、トロントに戻り、治療とリハビリに専念している状況。全日本まで、あと約10日。選考要項には負傷し、全日本に出場できなかった場合の“救済条項”もあり、羽生は出場しない場合でも、代表入りは濃厚。ただ、その場合、約4カ月実戦から離れ、“ぶっつけ”での五輪出場となる可能性もある。