陸上男子１００メートルで今年９月に日本人初の９秒台となる９秒９８をマークした桐生祥秀（２１）＝東洋大＝が１３日、都内で記者会見を行い、大学を卒業後の１８年４月１日から、生命保険大手の日本生命と所属契約を結ぶことを発表した。社員としての契約はなく、今後は他のスポンサーも募っていく。事実上のプロに近い活動となる。

　桐生は卒業後も東洋大を拠点として活動していく予定で、土江寛裕コーチとともに、さらなる記録更新と、２０年東京五輪を目指していく。

　【以下、一問一答】

　－所属が決まって

　「今のところホッとしてるのが１番。４月からは学生の括りではなく、社会人となる。一人の人生として歩んでいきたい。陸上を通じて、たくさんの人に夢を与えられるような存在になれれば」

　－大学４年間を振り返って

　「半分うれしい、半分くやしいという１年を４年繰り返したような気がする。リオ五輪はリレーでメダルを獲ったけど、個人としては準決勝も行けなかった。今年のロンドン世界陸上もリレーでメダルだったけど、個人では出れず。最後に９秒９８を出せたけど、どうしても個人として世界で戦えるようになりたい気持ちが強い。そのために強くならないといけない」

　－今後に向けて

　「これからは１０秒台のいいタイムでも残念な声が上がると思う。みんな９秒台を見にくると思うので。重圧じゃないけど、今までの桐生では満足してもらえない。０秒０１でもタイムを更新していって、世界で戦う桐生になりたい。リオ五輪からの２年で色んなことが変わった。次の（東京までの）２年で上手くいくこともあるだろうし、悔しい思いもするかもしれないけど、競技者としても人間としても成長していきたい」