フィギュアスケートの１４年ソチ五輪男子金メダリストで、１１月９日のＮＨＫ杯での公式練習中に右足関節外側靱帯（じんたい）を損傷した羽生結弦（２３）＝ＡＮＡ＝が１４日、日本スケート連盟を通じて談話を発表した。腱と骨にも炎症があり、練習の再開時期が未定であることを明らかにした。出場の意思を持つ平昌五輪代表最終選考会の全日本選手権（２１～２４日、東京）は極めて厳しい状況となった。

　羽生が日本スケート連盟を通じて談話を発表した。１３日に都内で開かれた日本連盟の理事会後、小林フィギュア強化部長が発表した本人コメントについて、「腱と骨にも炎症があるため、治るスピードが早くありません。いつから練習を再開できるかは、まだ決まっていません」との内容が追加された。

　１１月９日に負傷後、当初は３～４週間で回復する見込みだった。小林強化部長は前日「通常の捻挫よりも治りが長引く靱帯を損傷していることが分かりました」との本人のコメントを発表したが、一夜明け、腱と骨にも炎症があることが羽生の口から明らかにされた。

　さらに、前日は羽生の「今後、氷上に立ち、左足を中心に、ストロークやクロスなど単純に滑ることだけから始め、少しずつ負荷を上げ、右足でのターンなどをできるようにしていきたいと思ってます」とのコメントを発表。近日中にも氷上練習に復帰する意向が示されていたが、練習の再開時期が未定であることも明かされた。

　平昌五輪最終選考会まで一週間。羽生は現在、拠点のカナダ・トロントで治療とリハビリに専念している状況だ。全日本選手権出場の意欲を見せ続けているものの、現段階で練習の再開時期が決まっていないだけに、全日本の出場は極めて厳しい。

　もっとも、羽生は出場しない場合でも、世界ランク１位などの実績で代表入りは確実となっている。ただ、その場合は約４カ月実戦から離れ、“ぶっつけ”での五輪出場となる可能性が高い。