大島、森薗組が崖っぷちからV 逆転での王者奪還に雄たけび

 「卓球・ワールドツアー・グランドファイナル」(17日、アスタナ)

 各種目の決勝が行われ、男子ダブルスは世界選手権銀メダルの大島祐哉(23)=木下グループ、森薗政崇(22)=明大=組が何鈞傑、黄鎮廷組(香港)を4-3で破り、2年ぶり2度目の優勝を果たした。女子ダブルスは世界選手権銅メダルの伊藤美誠(17)=スターツ、早田ひな(17)=日本生命=組がシングルスの世界ランキング1、2位の朱雨玲、陳夢組(中国)に0-4で敗れ、準優勝だった。

 崖っぷちに追い込まれても諦めなかったのは、これまでも2人で修羅場をくぐり抜けてきたから。最後の1点を森薗得意のレシーブから奪うと、勝利の雄たけびの後、がっちりと抱き合った。2年ぶりの王座奪還に大島は「最後はパートナーを信じ切れた」と誇り、森薗は「何とかして勝とうという気持ちを捨てずにできた」と喜んだ。

 マッチポイントを奪われても執念で生還した。2-3の第6ゲームは8-10から大島のサーブと森薗の代名詞バックハンドレシーブ「チキータ」から逆転。最終ゲームも8-10と追い込まれたが、巻き返した。

 大会前は練習時間がほとんど取れず、連係は決勝のプレー中もまだ深まっていなかった。後陣でのラリーで打ち勝ち始めたのは、ほぼ第7ゲームから。大島が「何とか食らいついて台に入れて、パートナーに回す気持ちだった」と話す無心のプレーが逆転劇を呼んだ。

 決勝進出は3大会連続で、世界が認めるダブルスの第一人者だ。今年の世界選手権は準優勝だっただけに、大島は「あと目指すのは世界選手権での優勝だけ」と言葉に力を込めた。

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