川内Vで東京五輪代表選考会出場権ゲット 「権利があれば選ぶことはできる」
「防府読売マラソン」(17日、防府陸上競技場発着)
8月の世界選手権代表の川内優輝(30)=埼玉県庁=が2時間10分3秒で3年ぶり3度目の優勝を果たした。3日の福岡国際マラソンで2時間10分53秒をマークした川内は、対象となる2レースの平均が2時間11分以内となり、2020年東京五輪の代表選考会への出場権を獲得した。
百戦錬磨の川内でも、3年ぶりの優勝は味わい深かった。今大会は2012年と14年に優勝したが、15年は2位、16年は3位。「タイム以上にとにかく勝ちたいと思っていたので、うれしい」とすがすがしい笑顔で喜んだ。
豊富な経験を生かしたレース運びが光った。ペースメーカーが外れた30キロすぎで「本当に力のある選手を絞りたかった」と一度ペースを上げた。一時は浜崎達規(南城市役所)に先頭を譲る場面もあったが、33キロすぎの渡線橋にさしかかると「3年前もウガンダの選手とやり合ったので、仕掛けどころは分かっていた」と、下り坂で一気に加速して突き放す。あとはゴールまで一人旅だった。
8月の世界選手権を日本代表最後の試合と位置づけていた。しかし、これで20年東京五輪の代表選考会「グランドチャンピオンシップ(GC)」の出場権を手にした。「権利があれば選ぶことはできる。それに関しては良かった」。微妙な物言いながら、19年9月以降に予定されるGC出場へ、含みを残した。