日馬富士問題、横審の責任は?委員長「判断は到底できなかった」

横綱審議委員会を終え会見を行う北村委員長=両国国技館(撮影・中田匡峻)
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 日本相撲協会が20日、東京・両国国技館で諮問機関である横綱審議委員会(横審)の臨時会合を開いた。元横綱日馬富士の暴行問題について、「引退勧告に相当する」と決議するなどした。会合後の会見では横綱を推薦する立場の横審としての責任についても質問が出たが、北村正任委員長は「今度のようなことがあったからといって、日馬富士がもともと品性がよろしくないという判断は、到底、横審としてできなかった」と返答した。

 北村委員長は「横綱に推挙する要件は品格力量抜群であるとなっています。力量の方は場所での成績を見れば分かるわけですが、品性について、日常どういう生活をしているかとか稽古場でどうであるか、(中略)そうしたことを委員会自身で調査するわけにもいかない、その力量もないし権限もない」と説明した。

 品格面で横綱を推薦する材料は「日本相撲協会の確認に基づき審議する」と定められていることを挙げ、「協会が判断した上で諮問しているのであろう」と推認しているものとした。

 こうした理由から「今度のようなことがあったからといって、日馬富士がもともと品性がよろしくないという判断は、到底、横審としてできなかったということです」とし、日馬富士の人間性という面については「相撲以外の場でもなかなか立派な人物だというふうに言う人がたくさんいます」とも付け加えた。

 今回の臨時会合で、横審は全会一致で日馬富士については「暴力事件、傷害事件は『引退を勧告するに相当する事案』だった」と決議し、現場に居合わせながら事件に発展することを防げなかった白鵬、鶴竜の両横綱についても「暴力絶滅への心構えに徹するように両横綱に厳重に注意すべき」と協会に進言することを決めた。

 また、暴行の被害者である貴ノ岩の師匠、貴乃花親方(元横綱)についても横審全体の意見として、「1人の親方であり、執行部の理事であり、この親方が執行部のメンバーであることの責任をまったく放棄している。普通の組織体の中ではありえない」と批判した。

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