真凜ジャンプ転倒でSP6位 逆転V厳しくても最後まで笑顔「出し切る」
「フィギュアスケート・全日本選手権」(21日、武蔵野の森総合スポーツプラザ)
代表2枠を争う女子はショートプログラム(SP)で本田真凜(16)=大阪・関大高=がジャンプのミスが響き、66・65点の6位スタートとなった。本郷理華(21)=邦和スポーツランド=が70・48点で3位、樋口新葉(16)=東京・日本橋女学館高=が68・93点で4位。年齢制限で五輪出場権のない紀平梨花(15)=関大KFSC=は大技のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を成功して5位につけ、三原舞依(18)=シスメックス=は7位と出遅れた。
五輪をかけたリンクはいつもと違っていた。熱く、そして過酷な戦場だ。「悔いの残る演技にはなったけど、思い切って滑れたのでやりきった感はあります」。努めて前向きに語ったのはいかにも真凜らしい。それでも「まだ気持ちの整理ができていない」というのも本音だろう。
後半の3回転ループで着氷が乱れ、左手をついた。3回転の連続ジャンプなど他はすべて加点がついただけに、SP6位スタートはあまりに悔しい結果だ。
大一番を前にずっと同じ夢を見続けていたという。「2週間くらい前からSPの夢ばかり見て(この日が)10回目くらいのSPだった」。五輪への募る思いが重圧のかかる最終滑走でも「今季一番楽しんで滑った」と緊張を感じさせなかった。
しかし、首位坂本とは約7点差。逆転Vの可能性は残されているが、厳しい現実に立たされている。「もっと高いところを目指していかないと、もっと頑張らないといけない。それをぶつける場所が残っている。できることを出し切りたい」
23日のフリーには望結、紗来の2人の妹たちも駆けつける。「今まで家族で頑張ってきたものを一つでも積み重ねたい」。決してうつむかず、最後まで笑顔。それが本田真凜というスケーターだ。