ラスト五輪に懸ける無良崇人、踏みとどまる 2位田中とは5・81点差
「フィギュアスケート・全日本選手権」(22日、武蔵野の森総合スポーツプラザ)
平昌五輪代表を懸けた大一番は男子ショートプログラム(SP)が行われ、すでに五輪代表入りが確実な状況の宇野昌磨(20)=トヨタ自動車=が4回転からの連続ジャンプでのミスなどがあったが、96・83点で首位発進。連覇に王手を懸けた。
宇野とともに今大会を怪我で欠場した羽生結弦(ANA)も五輪切符は確実。実質残り1枠を巡る争いだが、田中刑事(23)=倉敷芸術科学大=が渾身の演技で91・34点をマークし、2位となり頭一つ抜け出した。3位は85・53点で無良崇人(26)=洋菓子のヒロタ=、4位には80・99点で村上大介(26)=陽進堂=がつけた。
ラスト五輪に懸ける26歳が、なんとか踏みとどまった。SP「フラメンコ」にのり、挑んだ無良だったが、冒頭に予定していた4回転-3回転の連続ジャンプで、最初の4回転で手をつき単発に。しかし、その後はトリプルアクセル、連続3回転ジャンプをしっかりと着氷させ、粘りきった。今季はGP2戦で7位、12位と苦戦していただけに、「(全日本は)死にそうになるまで、必死にやってきた。今季1番いい動きだった」と、納得の表情でうなずいた。
ライバルの滑りが、闘志に火を付けた。直前に滑った田中が完ぺきな演技で高得点をマーク。モニターで見ていた無良は「パーフェクトなパフォーマンスで、僕も負けないようにと思った。すごくいい刺激をもらった」。
08年からシニアに参戦しているベテラン。五輪選考会はこれで3度目。そして「年齢的にもこれが五輪を狙える最後のチャンス」と位置付ける。逆転五輪へ、選考上のライバル2位の田中とは5・81点差。「(代表を逃した)4年前と同じ轍は踏めない。自分らしいオペラ座をやって、締めくくりたい」。フリーは「オペラ座の怪人」。ファントムに扮し、五輪切符をかっさらう。