坂本花織 ご機嫌斜めも勝負の赤で平昌へ「赤のほうが気に入っています」
「フィギュアスケート・全日本選手権」(23日、武蔵野の森総合スポーツプラザ)
23日の女子フリーに向けて、ショートプログラム(SP)首位の坂本花織(17)=シスメックス=が公式練習に参加し、新しく制作した真っ赤な衣装を披露した。0・36点差でSP2位の宮原知子(19)=関大、6・94点差から大逆転で五輪切符を狙う本田真凜(16)=大阪・関大高=も調整。五輪代表の切符を巡る決戦は、ついに最終章を迎える。
燃えるような鮮やかな赤は、沸々と湧き上がる闘志を表しているかのようだ。フランス映画「アメリ」の主人公になりきるフリー。坂本は男子の試合前に行われた公式練習で、これまでオリーブ色だった衣装を真っ赤に新調して登場した。
周囲の勧めもあり、コーチとも相談して選択した“勝負の赤”。衣装の形は同じだが、華やかさが増し「赤の方が気に入っています。『衣装』という感じがする」。試合スイッチを入れるには効果的だ。
公式練習では「順位は関係なく“無”でやりました」と平常心を強調したが、曲かけでは中盤の3回転ルッツが1回転になり、連続ジャンプも単発になるなどミスも出た。「眠くて集中できなかった」のが原因という。
「朝、10時からホテルで避難訓練のサイレンが鳴って…。それで起きたんです」。安眠を邪魔され、ご機嫌斜めだ。前夜のSPでは“自己最高”の演技を見せただけに、アドレナリンが出て寝付けなかったのか…。と思いきや、睡眠時間は10時間半。それでも育ち盛りの坂本には少々足りなかったようだ。
フリーは最終24番滑走。「顔に出てはないかもしれないけど、めっちゃ緊張してる。22番がよかった」とこぼしたが、遠くにあった五輪はすぐ近くに見えてきた。闘志をたぎらせ、勝負のフリーに挑む。