貴乃花部屋だけ提出拒み続けた力士との誓約書 貴乃花親方を守るためのルールだった
日本相撲協会に貴乃花親方(元横綱)が19日になって提出した部屋の力士たちの誓約書は、過去に貴乃花部屋で起こった問題を機に協会が作成したものだったことが22日に分かった。19日まで貴乃花部屋だけ提出していなかった。
その問題とは、2014年に貴乃花部屋の幕下力士が引退させられ、それを不服として裁判を起こした件。現在も係争中だ。当時は明確なルールがなく、師匠の一存で力士を引退させることが可能だったため、問題となるケースもあった。
そのため、1年ほど前から提出が義務付けられた誓約書の第27項に「土俵内外における態度や能力の発揮状況等を総合的に勘案した結果として師匠により現役力士として不適正と判断された場合、師匠が協会に引退届を提出し、自身の進退が協会と師匠の協議に委ねられることについて同意し、これに異議を述べないこと」と明記された。
言ってみれば、「貴乃花親方を守るためのルール」。ある理事会メンバーは「それを今まで拒んできたんだから意味が分からない」と首をひねった。
各部屋の師匠や親方衆は協会と「人材育成業務の委託契約」を結んでいる。貴乃花親方も2014年の公益法人移行後にすでに契約済みだが、誓約書の提出は拒否し続けてきた。どこに納得がいかなかったのか、本人が口を開かない限り謎が残る。