坂本2位「なんで~」豪快ジャンプで“自己ベスト”大幅更新もV逃す
「フィギュアスケート・全日本選手権」(23日、武蔵野の森総合スポーツプラザ)
五輪代表2枠を争う女子は、ショートプログラム(SP)2位の宮原知子(19)=関大=がフリーで逆転し、合計220・39点で4連覇し、日本スケート連盟の選考基準を満たして初の五輪代表に決まった。SP首位の坂本花織(17)=シスメックス=は合計213・51点で2位。樋口新葉(16)=東京・日本橋女学館高=は206・96点で4位だった。日本スケート連盟は24日の全種目終了後に代表を発表する。
果たして祈りは届いたか。得点を待つキスアンドクライ。手を合わせ拝んだ坂本は表示された点を見て「なんで~」と天を仰いだ。“自己ベスト”を大きく更新する213・51点も、宮原には届かず2位。五輪決定となる優勝を逃し、今季実績で優位に立つ4位の樋口との争いのまま、24日の運命の代表発表を待つことになった。
銀盤のヒロインというよりは、少年漫画の主人公のようだった。演技前にはいつものように拳を握り、パキパキと指を鳴らした。「いい音が鳴りました」。最終滑走の重圧のかかる中、圧巻の演技。冒頭の連続3回転から次々とジャンプを決め、フリー「アメリ」を完遂。演技後は顔を覆い、充実感に浸った。
神戸生まれで、関西弁の軽妙なトークはいつも周囲に笑いを呼ぶ。脚力を生かした圧倒的な幅のあるジャンプは、海外から「伊藤みどりのようだ」と、絶賛される逸材だ。「五輪は少しは近づいたのかな」。無限の可能性を秘める表情豊かな演技と豪快なジャンプは、夢舞台できっとより輝く。