スノボ竹内智香「金」へ時は来た「神様がほほ笑んでくれる準備できた」
4年に一度の雪と氷の祭典、平昌冬季五輪が2月9日から25日まで韓国・江原道を中心に開催される。史上最強の呼び声高い“チームJAPAN”には金メダルラッシュの期待が懸かる。スノーボード女子パラレル大回転で、前回ソチ五輪銀メダリストの竹内智香(34)=広島ガス=は、冬季五輪日本女子最多タイの5大会連続となる夢舞台で、悲願の金メダルを狙う。
竹内は色紙を手にし、少しためらった。「何がいいだろう?集大成かな?何か回りくどい気がするし…」。サインに添えた平昌五輪のテーマ。一通り思いを巡らせた後、「シンプルに」と笑って、書きつづった。
「金メダルを!!」
スピードスケートの岡崎朋美、モーグルの上村愛子、里谷多英らと並ぶ冬季五輪日本女子最多タイの5大会連続となる夢舞台。「この4年間はソチで銀メダルに終わった悔しさから始まった。それ以上は一つだけ」。ただ、夢がかなう瞬間を思い描いている。
スノーボードを始めて20年がたった。スポンサーがつかず苦労した時期も、単身で本場スイスのナショナルチームで武者修行した時もあった。積み重ねてきた時間に自信がある。「ソチでメダルも経験した。自分には大きなアドバンテージがあると思っている」
ソチ五輪後には肉体改造に着手。それまで「コーディネーション能力、センスで戦ってきた」という34歳。4年前は普通の腕立て伏せすらできなかったが、「今は普通にできる。ベンチプレスも20キロの棒だけしか上げられなかったのが、今は40キロを10回上げられる。アスリートとしては普通なんだけど、本当に何もできなかったので、よくここまで伸びたなと思う」。わずかに届かなかった金メダルとの差を埋めるために必要だったアスリートとしての体を、ようやく手にした。
この4年間、頂点への渇望を思考に刻みつけてきた。時計や指輪、携帯のカバーなど、身の回りのものは、すべてゴールドに変えた。お菓子も包装紙が金色のものを選んだ。何か3つのものがあれば、必ず真ん中を選択。「ささいなことの積み重ねが金メダルを引き寄せる。最後に神様が微笑んでくれる準備はできている」。人事を尽くして立つ5度目の夢舞台に、黄金色のシュプールを描く。