小平奈緒「金」に最も近い“絶対女王”無敵の31歳がオランダで得た収穫
4年に一度の雪と氷の祭典、平昌冬季五輪が2月9日から25日まで韓国・江原道を中心に開催される。史上最強の呼び声高い“チームJAPAN”には金メダルラッシュの期待が懸かる。スピードスケート女子1000メートル世界記録保持者の小平奈緒(31)=相沢病院=は、日本女子スピードスケート初の金メダルに照準を定めている。
金メダルに今、最も近いのはスピードスケート界の絶対女王、小平だろう。昨年12月のW杯(ソルトレークシティー)では、1000メートルで1分12秒09の世界新記録をマーク。500メートルはW杯15連勝と敵なしだ。
ソチ五輪後の14年4月、本場オランダに武者修行に出た。「行く決断ができたことが自分の転機だった」。自分よりも力のある女子選手とともに汗を流す経験は貴重だ。9月にはオランダ語も習得し、コミュニケーションを取れるまでに成長した。
しかし、「体の大きなオランダ人と同じことをしても勝てない」と痛感。周囲と同じ練習量では足りないと感じたことや、右足首の捻挫、食事が体と合わなかったこともあり、16年4月に帰国した。
長野に戻り、地道な練習を再開。古武術やげたを使った体幹トレーニングなど、日本文化にも目を向け、よいと感じたものは何でも試した。探究心こそが、30歳を超えた小平の成長を後押しする。
「『金メダルを取れるように頑張ります』、という言葉を期待しているかもしれないけど、自分を全て表現するのが五輪。平昌五輪も駆け抜けたい」。日本女子スピードスケート界初の金メダルの期待は大きいが、ぶれることはない。その足取りは自信に満ちている。