青学大・林が区間新&MVP 初出場の3年生がV呼ぶ爆走
「箱根駅伝・復路」(3日、神奈川県箱根町芦ノ湖駐車場~大手町)
往路2位の青学大が逆転で4年連続4度目の総合優勝を果たした。往路1位の東洋大から36秒遅れで復路をスタート。6区でトップを奪い、7区の林奎介(3年)が区間新記録の快走で独走態勢を築いた。林は最優秀選手に選ばれた。4分53秒差で東洋大が3年連続の2位、早大が昨年に続く3位となった。
“ここぞ”という局面で、勝負を決める走りができる選手が出てくる。だからこそ青学は強い。勝負どころの7区に配置されたのは、3大駅伝初出場の3年生・林奎介。当日選手変更で投入された伏兵の強烈な一撃が、追いすがる東洋大を沈めた。
6区で小野田が逆転し、先頭でタスキを受けた。2位とは52秒差と予断を許さない状況だったが、追い風にのり気持ちよく海沿いを駆け抜けた。設楽悠太(東洋大-ホンダ)の持つ区間記録を16秒更新する区間新の爆走で、3分28秒差まで引き離し、大会MVPの金栗四三杯も獲得。原監督も「あんなに力があったかな」と舌を巻く走りだった。
元々長距離には適性があったが、昨年3月に左足首をねんざ、夏前には左足を疲労骨折し出遅れた。それでも夏合宿で何とか箱根駅伝に出場するためのノルマの練習量を消化。出雲駅伝、全日本では「蚊帳の外」だったが、11月の世田谷ハーフでチームトップのタイムをマークし、メンバーに滑り込んだ。特技は一発芸。OBの“山の神”神野大地の前で、お笑い芸人・ちゅうえいのギャグを披露し、スベっても動じない。そんな強心臓が大一番でもさく裂した。
「エースに近い存在になれたかな。来年は5連覇したい」。伏兵があっさりMVPを持っていく。青学の底力を示す快走劇だった。