競泳・小関、代表合宿中の暴力発覚 炊事当番遅刻した後輩の腹と顎を一発ずつ
2020年東京五輪の競泳男子平泳ぎでメダル獲得を期待される小関也朱篤(25)=ミキハウス=が、昨年11~12月にスペインで行われた日本代表の高地合宿で、同じ所属の男子選手(23)に暴力を振るっていたことが11日、関係者への取材で分かった。既に所属先から今年3月末までの対外試合出場自粛と日本代表活動の辞退、減俸などの処分を受けた。
またもスポーツ界の不祥事が発覚した。小関は、後輩の男子選手が練習後にサッカーに興じて一緒に担当することになっていた炊事当番に遅れてきたことに腹を立て、腹部と顎を1度ずつ殴ったという。男子選手は顎に違和感が残っているものの、骨折などはしていない。小関は男子選手を指導する思いで手が出たという。
すでに男子選手に謝罪、和解している。ただ、いかなる理由であっても暴力行為は許されない。大相撲の元横綱日馬富士の暴行問題、カヌーの禁止薬物混入に続き、競技者の資質が問われる事態。競技団体にも、より厳格な対応が求められる。
小関は昨年、世界選手権の200メートル平泳ぎで銀メダルに輝いた。16年リオデジャネイロ五輪は同種目で5位だった。今夏のパンパシフィック選手権(東京辰巳国際水泳場)やアジア大会(インドネシア)の代表選考会を兼ねた4月の日本選手権には出場できる。
日本水泳連盟は「被害届が出るような事案でなく、所属先の処分も受けており追認した」とし、将来性のあるメダル候補の、仲間内での軽微な争い事であることから、自主的に公表することを控えた。選手の育成を第一に考えた判断としているが、スポーツ界が暴力根絶を掲げる中で妥当だったか、議論の余地がありそうだ。