鶴竜、因縁の北勝富士から復帰星 4場所連続休場から半年振りの白星

 「大相撲初場所・初日」(14日、両国国技館)

 元横綱日馬富士の暴行事件に絡んで処分を受け、今場所は無給での出場となった白鵬(32)=宮城野=と鶴竜(32)=井筒=の両横綱はともに白星発進した。4場所連続休場から進退をかけて土俵に立つ鶴竜は北勝富士(25)=八角=を引き落とした。

 復活への気概にあふれる立ち合いだった。鶴竜は低く鋭く頭から当たり、右で長身の北勝富士を突き起こす。間髪を入れず強烈なのど輪で相手をのけ反らせると、体を右に開きながら絶妙のタイミングで引き落とした。

 北勝富士は因縁の相手だった。昨年名古屋場所3日目に敗れた際に右足を負傷し、4日目から休場に追い込まれた。以後先場所まで4場所連続で休場することになっただけに「立ち合いはよかったですね。(最後は)引いてしまったけど、先手が取れた。それがよかったんじゃないかな」と感慨深そうに振り返った。

 この日の朝稽古後には並々ならぬ決意を見せた。「いよいよ始まるなという気持ち。前へ出る相撲を取りたい。そういう強い意識を持っていく」。言葉通りに鋭い踏み込みで白星をもぎ取った。土俵下で見守った藤島審判長(元大関武双山)は「立ち合いで当たっているし、いい相撲だった。悪い時は引いてしまうが、この一番は突っ張っていった。相当体調がいいんじゃないか」と評価した。

 進退をかけた場所を幸先よく白星発進したが、まだ初日。綱の責任を果たすには最低でも2桁星を挙げなければならない。「まだ1日終わっただけだからね」と気を引き締めた。

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